第44章命を救う恵みだったから結婚を申し出るのは理にかなっている

「伏せて!」エミリーが鋭く叫び、ダニエルの身体をぐいと地面へ引き倒した。

ダニエルはためらわなかった。彼女が本気だとわかっていた。

彼はエミリーを抱き寄せ、そのまま地面を転がった。彼女の動きに合わせて。

次の瞬間、停車していたマイバッハが爆発した。

炎が二人をのみ込みかける。

凄まじい衝撃波に、エミリーの視界はぐらりと揺れた。

一瞬意識が遠のんだが、すぐに戻ってくる。

身体の上に重いものがのしかかっているのを感じ、即座にそれがダニエルだと悟った。

「スミスさん!ジョンソンさん!ご無事ですか!」

ヨークはプロだった。

車を出そうとした、その刹那。ガソリンが滴る音が耳に入った。...

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